伝統的木造建築物の改修と活用

県土の75%を森林が占め、その多くが伐採期を迎えている徳島県において、木造住宅の推進は木材の需要拡大に大きく貢献する重要な要件である。また、増加する空き家も地域の治安・衛生・地震時倒壊の恐れなど、大きな問題となっている。

これらを解決するために、適切な改修を行い空き家を有効活用することが求められている。しかし、古い木造住宅は現行建築基準法に適合しておらず、改修設計・改修工事には、高い専門性と技術が求められるが、木造住宅の設計・施工に熟達した技術者が不足していることも指摘されている。

本講座では、伝統的構法の古民家を本格改修した例を記録し、改修設計のポイントや改修工事の実際を、若い建築技術者に伝えることを目的としている。また、設計のみならず、大工や左官などの建築技術者の仕事も紹介し建築文化の人的資源の継承も訴えている。